Make a New Problem. (or Question?)

  〜レーズン作品まとめサイト〜
『私のファミカセ展』という
昔のゲーム機『ファミコン』のカセットのラベルをデザインして 夢のゲームをズラリと並べる展示があります。
2005年から吉祥寺にあるMETEORというお店で行われていおり、 そこに出展したボクの作品が溜まってきたのでまとめました。
グラフィックはボクが描いたり作りおろしたオリジナルのものです。
名義が年によってコロコロかわっています。

リンク 私のファミカセ展オフィシャルサイト http://famicase.com/

<見方>以下のように並んでいます
・カセットのタイトル
・カセットラベル 会社のロゴ
・名義
・キャプション
・解説(今回の書き下ろし)

 ミニムちゃん危機一髪


林レーズン大統領 / イラスト/映像/グラフィック(2015)

ミニムちゃんがファミコンカセットの中に閉じ込められて動けなくなっちゃった! 今すぐファミコンのスイッチを入れてドットを動かし隠された部分を・・・ ・・・じゃなくて彼女をカセットの中から開放してあげよう!

ゲームには”Technical Requirements Checklist(TRC)”という、リリース前の製品として問題がないかチェックするためのリストがあります。必ずこれを全てチェックしないとリリースできないのですが、表現についての記載もあり「エッチなのはダメですよ」とか「ゴア表現はダメですよ」とか書いてあるわけです。
で、ファミカセ展作品のひとつに、その「TRCをやぶるパターン」というものがあります。出したくてもTRCにひっかかって出せなかったモノですね。 ファミコンのゲーム開発当時、具体的に一体どんな表現規制が書かれていたのかボクは知らないのですが 「ファミリー」に向けて作られたゲーム機としてダメであったであろう「エロゲー」のネタです。一番最初に作った『どきどき らぶ★てすたぁ』と同じ考え方ですね。 これはドット絵の表現とお色気がやりたかったんですね。 ドット絵はスペック的に見るとPS2くらいのドット絵だと思います。こういうの誰かに伝わったんでしょうか。しかし『らぶ★てすたぁ』から見ると画力がずいぶんあがりました。


 ア イ ド ル !


林レーズン大統領 / イラストレーター(2014)

前回のファミカセ展から今回のファミカセ展の間、 僕はゲーム会社を辞め、イラストレーターとしてデビューし、アイドルをおいかけまくった。 この1年の全てをのせた作品です。


長年勤めていたゲーム会社をやめ、イラストレーターとして活動しはじめた頃のものです。 これはほぼ日記です。日記書くパターンないかなと思って。 うまいっぽく描いてますが、今、見ると下手ですね。 テレビブロスで描かせていただいたの『この日焼けがすごい』のタッチで女の子を描いてみようという絵だった気がします。 これはジャンル分けすると「ゲーム内容なしでカセットを額縁にしただけパターン」ですね。 無為にカセットへはめ込むことで、意図していなかったゲーム画面を想像してしまう。このパターンはそこがおもしろいと思います。 この頃アイドル『でんぱ組.inc』の夢眠ねむをおいかけていて夢眠ねむ主催のイベントに飛び入りVJしたりして、妙に行動力がありました。

 2043年のゲーム


レーズン大統領 / アーティスト(2013)

「未来は予測できないにしても、過去の考察から想定をこころみることはできよう」 『岩波講座 哲学 XIV 芸術』 桑原武夫 加藤周一 編 (1971年 11月10日発行) 132pより引用


この頃、スゲさんとかを見て頭良さそうなものを作りたかったんだと思います。 その割りにそんなに変な事は言ってないと思います。この本どこにいったかな〜。実はまだ全然読んでないんですよね。 これは「テキストの力で想像力を引き出すパターン」です。これの前にNNNNYが出した作品が好きで似たのをやりたかったというのもあった気がします。 想像力を邪魔しないためにラベルは抽象です。個人的にはこのパターンが一番好きですね。

 ヒプノティック・スクール

dotimpact + レーズン大統領/プログラマー(dotimpact)、デザイナー(レーズン大統領)(2012)

かの「超能力開発ゲーム」に並ぶと評される、催眠術をゲームに取り入れた異色作。発売当時は単調な学園アドベンチャーなのになぜかハマるゲームとされていた本作だが、実際にはゲーム中登場する女学生が主人公に催眠術をかけるシーンの映像、メッセージや音楽などを巧みにコントロールすることでプレイヤー自身に催眠術をかける仕掛けになっており、「催眠状態のプレイヤーがゲームにコントロールされるゲーム」として開発されたことが後年明らかになった。カセットラベルの判読不能な記号も、催眠効果を促すための意匠らしい。


これは「ゲーム内容をきちんと考えたパターン」です。王道かな。 でもそこに都市伝説要素が加わって、想像力がふくらみます。 神秘性もあって妙に魅力的ですね。 これはdotimpactさん(通称ドッパクさん)に「一緒になにかやりましょう」と声をかけさせていただいてできたモノです。さすがの落としどころ。 先にテキストをいただいてからラベルデザインをしたのですが「催眠効果のあるカセットラベルの判読不能な記号」のテキストを読んで「これは挑戦だ!」と思ったりしました。 この後ドッパクさんと飲みに行くときの待ち合わせが「ムーショップ」だったりして、どうやらそういう縁があるっぽいです。

そして、このヒプノティック・スクール、本当にゲームにしてくれた方がいました。 すごいゲームになっているので是非プレイしてみてください。 ボク(レーズン)とdotimpactさんも出ています。作ってくれた方が勝手に想像した姿で。すごいビジュアルです。
リンクはこちらです→http://finalrev.com/frwp/?p=25

 保健体育支援プログラムその4 性の歪み


森そばお/麺類(2011)

性に対する正しい知識を、ゲームを通じて伝える教育ソフトの第4弾。 実は第3弾で予定していた全てのカリキュラムが終了しているのだが、 売り上げの為に無理やり作られたという経緯がある。 その為か、制作者の偏った趣味が全開の内容となっており、 「オススメAVのレビュー」「個人的にグッとくる女性の仕草」などから 中には「え?それ・・・性なの?」と頭をひねらざるを得ない内容もあり一部マニアの間で話題となった。


これは「TRCをやぶる」パターンですけど、写真を使ってみたかったんですね。 写真で強くインパクトに残るものを探してこうなりました。 知り合いの女の子に撮らせてもらって「もっとオシャレな撮影だ思った!」とすごく文句を言われたのを覚えています。ほんとスマン・・・。 これはファミカセ展レギュレーションに一度ひっかかって修正した記憶があります。 展示中はエロい人達から褒められました。

 ∞bit computer


hayashi-chonai/おでこ∞せんち(2010)

このゲームにはNESを含んだ全ファミコンソフトのゲームのステージ1が収録されている。1つのステージをクリアすると、別のゲームのステージ1が始まり、それをクリアするとまた別のゲームのステージ1が…。延々と繰り返される全く別のステージ1。持ち越されるライフ。キミは全てのゲームを制覇し、この8bitの∞のステージ1から抜け出すことができるだろうか。


これはアートユニット『おでこ∞せんち(通称でこはち)』をやっている時に作ったので、その名義になっています。 でこはちは掛詞が得意だったので、自然にダジャレになりました。 こういう「デザイナーが作ったグラフィック風」のビジュアルは、他の方とかぶるので避けているのですが、でこはちのテイストに近づけてこういう感じになりました。

 ファミリーコンクリート(500gタイプ)


レーズン大統領(PRESIDENTS) / 大統領(2009)

丈夫で長持ち!施行が簡単! 原材料:セメント、骨材、水、混和材 内容量:500グラム (ケースを開ける際に中身が飛び出る恐れがあります。ご注意ください)

これは「カセットを物体として見るパターン」です。 ゲームとかどうでも良くてカセットそのものの造型やギミックを使う物です。 コンクリートにむりやり塗ったのを撮ったのですが、全然うまくいかなくて 結局フォトショップで仕上げました。意味がなくてけっこう気に入っています。

 恐怖! 準児童ポルノの襲来


PRESIDENT RAISIN / PRESIDENTS(2008)

2XXX年。人類に悪影響を与える「準児童ポルノ」が突如、形を成して襲ってきた! サブマシンガンを手に、人類に迫り来る悪の「準児童ポルノ」を撃退せよ! 迫り来る「ドット絵で描かれたアニメキャラ=準児童ポルノ」を、行く先々で手に入れた様々な武器で倒していくシューティングゲームです。 ※ このゲームには暴力的なシーンやグロテスクな表現が含まれております。ご注意ください。


これは世間に『非実在青少年』というフィクションの中のキャラクターによるポルノを規制しようという動きがあった時に作ったものです。 『非実在青少年』の法律に反対するようなメッセージのつもりが『非実在青少年』を倒すゲームになってしまい、意図がよく解らなくなったというネタです。うまく伝わるんでしょうか。これ、ラベルデザインいいですね。

 人工頭脳マナ&ラナ


レーズン大統領 / ゲーム制作(2007)

1988年。このソフトの事を覚えている方も少なくないだろう。高度なAIを持つ双子の少女「マナ」「ラナ」と会話し育てていくゲーム。という触れ込みで発売されたが、当時そんな高度なAIがファミコンで作れるはずもなく、要は名ばかりの単純なルーチンと若干のパラーメータ変化による擬似AIであった。しかしそのルーチンのバランスの良さ、メッセージ性の強いキャラクターから、「マナとラナから人生の全てを教わった」と公言する「信者」と呼ばれる熱狂的ファンを作り出し、それが1990年のML事件へと発展するのである。


これは「ゲーム内容+都市伝説パターン」ですね。 たぶんバッドテイストなグラフィックを作りたかったんだと思います。 あんまり言う事ないかも。一応『らぶ★てすたぁ』シリーズと同じレイアウトです。

 どきどき らぶ★てすたぁR


レーズン大統領 / ゲーム制作(2006)

あの『らぶ★てすたぁ』が実写になって帰ってきた!13色フルカラーの超美麗画像に大興奮間違いなし!!という触れ込みで発売された『らぶ★てすたぁR』であったが、当然、綺麗な画像など期待できるはずもなく逆に中途半端に生々しい女性の稚拙なグラフィックがトラウマになった人も。絵に容量を食いすぎた為か、女の子が出てきて挨拶するのみという内容となっている(とてもゲームとは呼べない)。ただ、内容が内容なだけに、全国のファミコン好きの子供を持つお父さんに売れた為、ビルが建ったという噂まである。


これは下の『どきどき らぶ★てすたぁ』の続編です。 ボクの世代(1980年生まれ)にとってはギャルゲーの続編が実写というのは「あるあるネタ」なので作ってみました。実写ゲーム独特の安さを出したくてフリー素材集を買ってきました。 “ちょうどいい”モデルが見つかって良かったです。

 どきどき らぶ★てすたぁ


レーズン大統領 / ゲーム制作(2005)

博士が、作った女の子との相性を調べる機械「らぶてすたぁ」。コレを使って、あの娘のハートをゲットしよう!!!!!!!!!!全人類が夢見た、18禁ファミコンソフト!!!!!!!!!!☆一度見たイベントシーンは回想モードでいつでも見ることができるぞ!☆13日の金曜日、湖畔に行くと隠しシナリオ「血塗れのアイツがやってきた」が遊べるようになるぞ!


これは「TCRをやぶる」パターンですね。最初の作品です。 こうして見返すとエッチなネタばっかりですね。 一応、任天堂の『ラブテスター(1969年発売)』をリバイバルでゲーム化にしたというネタです。 任天堂っぽい。メイドインワリオやピクミン2にも出てきましたね。 当時METEORにはこういう美少女アニメ好きっぽい人はいなかったのでやれば目立つだろうと思って作りました。 今見ると絵はかなりつたないです。 会社のデザイナー仲間に「こういうのならこうでしょ」と赤を入れられた思い出があります。



おしまい


(c)レーズン